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滝平次郎

 此方が滝平次郎(たきだいら じろう)さんの作品集です。以前新聞の日曜版の表紙を飾っていらしたので、ご存じの方も多いと思います。

昔の日本の暮らしを描かれていて、ご自身で、「作品はドラマ性を大切にしている」と仰っておられます。

本当に、こう言うのあった、と言うだけでなく、この切り絵の前と後にはこんなやりとりがあって・・・その時の気持ちは・・と、見ていて楽しくなる物ばかりです。

 決して細かいタッチの作品ではないのですが、心を打ちます。技術的に細かいと、それだけでも感動しますが、その上を行かれていらっしゃる訳ですね。心が有る、と言うのでしょうか。 


 私などは、花の姿の自然に生け花をしているかのような形やポーズに唯々感動して、そのまま写していることが多いのですが、自分が美しいと感じた事を、最大限に伝えるにはどうしたらよいか、どうしたら人の心に一番響いてその花を愛でて、美しいのだと思って頂けるかをもっと考えて作らないといけないなあ、と思いました。滝平さんとは意図が違うのだとは思いますが、大切なのは、見て下さって居る方の心を良い感情で満たすことのような気がします。

 全く拙い作品しか作れて居ない私がおこがましい事を言いました。失礼致しました。志だけでも高く持って行こうと思って居ます。