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上村松園一族

佐藤太清のお話の所で出てきた上村松園(うえむら しょうえん)一族のお話です。松園(女性)、松篁(しょうこう、男性)、淳(あつし、男性)と三代続いて素晴らしい日本画家です。私は松篁が好きです。 

 

←此方が松園の絵です。もっと有名な物があるのですが、家に資料がありませんでした、申し訳御座いません。

花嫁、桜、女性達の全てが美しく、華やいだ中の緊張や不安、喜びが伝わってきます。おしゃべりまで聞こえてきそうな作品ですね。はらはらと散る桜が何かを物語っているようです。傘の色が美しいですね。もうとにかく美しい。この方は非常に努力家でらして、勉強熱心で自らに厳しかったと聞きます。

時代を考えると、女性が絵で成功するのは並大抵ではなかったかと推測されます。ご本人も「私の友達は本(源氏物語などの古典)の中にだけいる」と仰って居て、精神的に凜とした孤独を感じます。 

←此方が息子の松篁の作品です。繊細なタッチの動植物が素晴らしい写実性で描かれています。本当にこんな景色が山の中の何処かにあるのかな、と思ってしまいます。この方の動植物への優しくもまっすぐなまなざしがとても好きです。きっと優しい方だったのではないでしょうか?

この方の父親は誰か不明です。松園の絵の腕前が父親が誰かの詮索を許さなかった、とよく書かれています。当時の未婚の母はとても大変な事だったのではないか、と思われます。絵を見ているとそんな苦労は微塵も感じさせませんが。 

←此方は今もご存命のはずの三代目、淳の絵です。

この方の絵は鳥が多く、特に水鳥をとても好まれ、

ご自分でも飼って世話をされている様子がよく写真などで見られます。飼ってそれを写生していらっしゃると言う事です。

この方は東京都武蔵野の辺りの方で、私もその辺に住んでおりましたので、展覧会などを見に行きました。地元の画家、というイメージです。

背景にとても苦労をされた時期があったと聞きます。言われて見れば、この絵も背景が広く採られていて、微妙な色合いですね。鳥の心を感じる作品を沢山描かれています。

 

遺伝というか、血のつながりというのは不思議な物ですね。全くヒョッコリ天才が出る場合もあり、こうして血で描いているかの様な場合もあり・・。勿論環境も大きいとは思いますが、遺伝の不思議を感じます。  次回も遺伝の続きの話の予定です。 

←上村淳の絵です。

↓上村松篁の絵です。私はこの絵がとても好きです。