· 

鏑木清方

 昨日の午後から今朝に掛けて、京都 福知山は雨です。結構な本降りでこれで桜も散ってしまうのでしょう。毎年桜と雨はセットで来る気がします。雨に濡れた桜も風情がありますが、花の命は本当に短いですね。雨の日は小さな蛙が道路に沢山出てくるので、バイクで走るのが踏みそうで(きっと踏んでる)怖いです。

さて、美人画の鏑木清方(かぶらぎ きよかた)です。私は美人画が好きで、特にこの方の絵は好きです。清楚な物あり、艶っぽい物あり、全て美しいです。ふとした女性の視線や動きを捉えていてぞくっとします。私は只ひたすら美しく清らかさのある絵が好きです。

 この方は随筆も優れていて、読んでいて引き込まれます。印象深かったのは、花見の人混みが嫌いで行かない事や、非常な汗っかきで、夏は来てる浴衣が直ぐにぐっしょりするのでしょっちゅう着替えること、描いている絵にも汗が落ちるし、ぱりっとした浴衣が好きな事など、明治から昭和の前半に掛けての暮らしが垣間見える文章等です。丁度私が生まれた年に亡くなられていて、そんなに昔の方ではないのですが、その生活は今と随分違います。とても心が穏やかになる雰囲気です。

絵にも優れ文章も上手なんて素晴らしいですね。このつれづれも一寸は見習いたい物です。

画家の視線で見た世の中、なかなか私にとっては貴重な一冊です。 東京の古本屋で見付けました。

 私は古本屋が大好きです。偶然そこにいた本との出会いが好きです。ふらっと入って、何気なく気をひかれて手に取った本が、ずっと大事に出来る本だったりする、その出会いがとても好きです。この本も偶然見付けました。何気なくふうわりしている時に何か大事な出会いや、勘がさえると言いましょうか、そんな事を感じたりします。勘だけではどうにもなりませんが、大事にはしたい物です。