104歳！

　先日テレビで篠田桃紅（しのだ　とうこ）さんという方を知りました。なんと104歳で現役の抽象画家です。墨を使って描かれるそうで、その作品は見ていて気持ちがよく、抽象画ににはまるで縁の無い私でもいいなあと思える物です。

本も読んでみたところ、とてもしゃきしゃきしていらして、お考えもひょうひょうとしていて個性の強い方でした。40歳位でアメリカに渡り評価されたという事で、ずっと独身をとおしていらっしゃいます。とても美しい方です。

「何かが心に浮かんで､それを急いで描き留める」という風にして作品を描いておられて､描いているときも別の何かかふと浮かぶそうです。私にはそんな経験は無いのですが､何か凡人離れしていて凄いなあと思いました。

子供の頃の話も載っていて､それが何とも心地よく、古きよき時代を感じさせます。井戸水を使っていた事、季節によって熱いときは冷たく､寒いときは暖かく､此方の体温と気温によって優しい水だったこと、その水に寒い時はお母上がわかした湯を入れて下さっていたこととか、野の草摘みをピクニックの様にされていて､その昔は女性は野の草を追って行って､日が暮れ､そのままそこで寝てしまった歌が有る事など何とも遙かな感じがして､そして愛情がこもっていて、読んでいてふっと顔を上げたくなる感じがしました。

104歳で現役画家なんて、本当に羨ましい限りです。

その存在だけで何かを此方に伝えているかのようです。私も現役で長生きしたい、と単純に思いました。色んな方がいらっしゃいますね。素晴らしいですね。