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言葉・Ⅱ

 ←野生の藤です。毎年山に咲きます。緑の中にこの薄紫があるのは目をひき、とても綺麗です。肥料をやって手塩にかけているわけではないので、花房は豊かではないのですが、それも又、野に咲く自然な感じでいいものです。

 

 昨日お話しした好きな言葉の二つ目です。何かの本にありました。「明日世界が終わっても、僕は林檎の木を植える」です。

 私は長く病気をしていて、その苦しい日々の中で出逢い、よく思い出していました。決してあきらめないと言う事を、とても静かに綺麗に言っていると思います。

 その時は何度追い詰められても「絶対負けない」とだけ思っていました。何故そんな風に思えたのか、自分でも不思議ですが、本能の様なものだったとおもいます。必ず治る、という根拠のない信念も、もう駄目だと絶望する余裕もありませんでしたが、今こうして思い出せるのは幸せな事だと思います。

 今はもっと切り絵を頑張ろうと思っています。

 いつも些細過ぎることで、激しく上下してしまう私ですが、あの時期を思い出すと、静かな気持ちが湧き、心が座ることができます。今だから言えることですが。とにかく生き残ったんだという思いは、何より強く私を支えてくれています。そうなったのはホンの偶然だったかもしれませんが、今切り絵が出来て、猫と暮らせて良かったと思います。

 

 明日は注文作成の下絵の完成版を面白いかもしれないので、お見せします。もう切る作業に入っていますが、やはり切り絵は楽しい物です。

 彼岸花も気になりますが、まず猫を遣って、彼岸花、その後小鳥を、という依頼を受けましたので、それを遣ろうと思っています。