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心の栄養

 この間図書館に何となく入って借りた本の中に、心にしみる本がありました。故・日野原重明さんと、画家の星野富弘さんの対談の本です。(←)

 

 幾つも感心する所が有ったのですが、2つ、特に印象に残りました。日野原さんが小学生に教えに行ったところなのですが、少し抜き出します。

 「サンテ・グジュベリの作品「星の王子様」の中で(中略)本当のものは目には見えないんだよというんです。命は目には見えない、いのちとは君の持っている時間の事だよ。(中略)君がしたいように出来るもの、それが君の持っている命だよ。」といって、君らしく命を使うとはどういうことかをその日の宿題にします。

 つくづくそうだなあと胸のすく感じがしました。そして宿題を出された子達は、自分のためだけに時間を使っていたことに気付き反省するそうです。大人も同じですよね。詳しくは前後を読んで頂きたいのですが、医者がこういうことを言うこと自体すごいですし、夜明けが来たような気がしました。ミヒャエルエンデの「モモ」に出てくる時間の花を思い出しました。とは言え本ですので、自分の描いている自分の時間の花ですが。目に見えない心の栄養は毛細血管まで行き渡った感じがしました。

 ずっと病気だったので、人生は苦しむ事で一杯で、絶望とやらもしている暇は私にはありませんでした。一見普通に暮らしていましたが・・・。

生きることは行きるかしぬかの綱渡りを毎日する事で、とても単純なことでした。今切り絵を始めて、猫たちと出逢って、違う人生観もあるのかも知れない、と思ってきています。

 

もう一つの夜明けは

長くなりますので、後編は又明日にします。