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彼岸花と蝶

 今日の散歩で彼岸花に真っ黒いおおきな蝶々がひらひらと蜜を吸っているのをみました。とても綺麗で彼岸花一本と蝶々一匹という構図もシンプルで良いな、等と思って歩いていました。

 ふと小川未明の小品を思い出しました。題

は忘れましたが、夜おばあさんが編み物をしていると、戸を叩く小さな音がして、開けてみると少女が立っているのです。そこから物語は始まるのですが、最後その可憐な少女は蝶々だった、となって終ります。本の短い何枚かのお話で、ふっと見た夢のようです。女の子が蝶々と分ったとき、「まあ!」という明るい喜びに包まれる物語でした。

 

 今日見たのは堂々と咲く立派な彼岸花でしたし、蝶も大きなクロアゲハでしたが、それで何時か切絵を作ろうと思って少し幸せになって家に帰りました。