· 

しあわせの絵の具

 昨日「しあわせの絵の具」という映画を見ました。実話が元で,主役の男性の方がイーサン・ホークであったことと,「只,絵を書くのがすき」というヒロインの台詞に誘われて見てみました。

 とっても良かったです。この女性にはリュウマチが有りみそっかすのようにされ、家族にも恵まれていません。でも本当に絵が好きで壁にでも窓にでも描きたい物を描いて行きます。男性は孤児院出で肉体労働に忙しく家政婦を捜していて,張り紙をしたことから関わりは始まってゆきます。

 無骨で人が寄りつかないタイプの男性と,障害のある絵が好きな女性。ある人が彼女の葉書サイズの絵を買ったことからどんどん2人は有名になります。 

 その中でさっきの台詞があるのです。「私は欲はそんなに無いの。只絵を描くのが好きなだけ」と絵を描きながら上の空でいうのです。私はぼろぼろ泣いてしまいました。自分のなんと欲の多い事か。上手くなりたい,お金を稼ぎたい,賞を取りたい・・・・。絵を描く基本を忘れていました。

「絵が描きたい」ととても思いました。只自分の好きなデッサンを描きたいと思いました。切絵に頭を痛めている時期だからかも知れませんが。

 この女性は後に大変有名になるモード・ルイスです。

 

 

←こういう感じの子供の絵の様な絵をのびのびと感じたままに描きます。男性は決して人当たりの(彼女にたいしても)良い方では無いのに,彼女は「冬のおでかけ」や「馬車での日曜日」など二人の幸せそうな明るい絵をのこしています。

 只自分がどうであろうと絵が好きな事は=生きることのような彼女の純粋さに感動しました。

 この役者さん達はそれぞれこの映画でアカデミー賞を取りました。私にとっては素晴らしい映画でした。