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アルプスの少女 ハイジ

 アニメで有名な『ハイジ』です。ヨハンナ・シュピリという方が書きました。アニメをご覧になったことのある方なら、筋はご存じかと思いますが、街に住んでいたハイジという5歳の少女が、アルプスの山奥で偏屈と言われていたおじいさんと暮らす中でのお話です。

 寒いと風邪を引くからともこもこに厚着させられて山道を叔母に連れられて登っていた少女が、どんどん薄着になっておじいさんの所に到着する所から始まるこのお話は、質素ですがごく普通の暮らしに、自然の中に健康と健全さが隠れていることを教えてくれます。固まっていたおじいさんの心もハイジによって溶かされてゆき、印象的だったのが羊飼いの少年の目の見えないおばあさんにハイジがかわいそうに思って聖書を朗読してあげるシーンです。あの偏屈おじいさんがその倒れそうな家の修理をしてあげるのですが、その音とハイジの朗読を聞きながら『この子は天使だよ。神に使わされた子だ」とおばあさんは涙します。

 でもハイジは1度街へ戻って足の悪いお嬢様のお話相手をさせられることになります。どんどん元気のなくなるハイジ。窓からはアルプスの山は見えず、だんだん夢遊病を患うようになってしまいます。それで仕方がないので山へ返し、お嬢様の願いで一緒に行くとお嬢様もだんだんと回復して行きます。勿論ハイジもみるみるよくなります。

ハイジ達は見る間に健康を取り戻します。

 此れは作者自身の体験談からくるお話なのです。勿論ハイジの性格も有りますし、日本とスイスの違いも有ります。でも、私は大人ですので慣れるとは思いますが、8年この村で暮らして果たして又再び東京に戻れるか?ふと不安を感じます。田舎なりの大変さも有りますし、色々あってやっと慣れてきたから言えることかも知れません。

 ですが、間違いなく『山の少女 ハイジ』は名作だと思います。